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    いつかたどり着いたらキミに打ち明けられるだろう

    前回は関谷あさみの『溺れる夜の』の追加考察として『壁の向こう側』を紹介しましたけど、今回は『溺れる夜の』に名前だけ出てきた「翔太」が主役の『走れ!』(雑誌『Juicy No.3 2013年10月号』に掲載)について述べたいと思います。
    この作品の冒頭で『溺れる夜の』の主人公である直希も友人三人組の一人として後ろ姿だけ登場していますね。
    走れ!
    (俺んちの家族構成は、単身赴任中の父親と母親)
    (俺)
    (あと)
    (中一の妹・・・)

    その妹は読者モデルのような仕事をしているのですが、DVDのパッケージを見た翔太は水着姿で挑発的なポーズをしている幼妹の姿に(ロリコン向けのジュニアアイドルじゃね―――か!)と驚きます。
    しかし無表情な妹に対するネットの評価は低く、『あんまり可愛くない』とか『DVDハズレだわ 即売った』などと言われていて、「おっお前ら全員死ねッ」と憤慨するお兄ちゃんでした。

    (俺も本当は向いてないと思う)
    (表情は固いし)
    (愛嬌もない)

    そんな妹はモデル仲間のDVDをポータブルプレイヤーで観るのにわざわざ兄の部屋に来て、兄が「そのプレイヤー貸してやるから自分の部屋で見れば?」と言っても「リビングのテレビでも見れるでしょ」と言っても「ここでいい」と答えます。
    つまりはお兄ちゃん大好きっ娘なんですね。

    ベッドの上に置かれたDVDプレイヤーの画面を翔太が覗き込むと、キワどい水着を着た幼い少女が股を広げていた。
    「芽依もこんな水着着んの?」
    「今年ね・・・」
    「マジかよ、母さんいつもついてってんだろ? 止めないわけ?」
    「この仕事やるって言ったの私だもん。途中で放り出すとかいいかげんな人間のする事だよ」
    兄の顔も見ずに答える少女。
    「~~~~~」
    「・・・それに私売れてないし、テコ入れだって・・・」
    自分のことを「売れていない」と言う妹を見つめる少年。
    「芽依はかわいいのになー」
    「いいよ無理して言わなくても・・・」
    「本気で言ってんのに」
    「・・・・ありがとう」
    ポーカーフェイスだった妹の頬が赤みを帯びる。
    「ん」
    少し照れながら顔を逸らして返事をする兄。
    「・・お兄ちゃんは応援してくれるんだ?」
    「あー・・まあ・・芽依がそんなにやりたいんならね」
    (ほんとはやめてほしいけど)
    「じゃあ頑張れるようにお守りほしい」
    「そこで物ねだるんかい、高くないやつならいいよ・・・」
    そう言いながら彼が妹の方を向くと目の前に芽依の顔があり、そのまま唇を重ねた。

    自分がこれほど妹に好かれていたことに驚く翔太。
    もう一度キスをすると「もっとしたい」と告げる芽依。
    こうなると「禁断の欲望」は止められず、兄は妹の未成熟なカラダを愛撫し、兄妹はセックスをすることになります。

    兄の肉棒に突かれながら肢体を震わせ甘い喘ぎ声を漏らす少女。
    (あのクソ野郎共っ、ほら 見ろ。俺のっ、芽依(妹)が一番かわいいじゃねぇかよっ)
    「このままイきたい・・芽依の中にいっぱい出したい・・・」
    「だし・・っ、い」
    妹の答えを受け取るように兄は唇を重ねて舌を淫らに絡め、少女の膣内に大量の精液を注ぎ込んだ。
    「・・・・・すげえ出ちゃった・・な、途中から止まんなくなってた・・・」
    「・・・・・・」
    目に涙を浮かべた切なげな表情の妹が荒い息を吐きながら兄を見つめる。
    「お兄ちゃん、ほんとは、あの仕事もうしたくない・・・」


    本心を打ち明けた妹に翔太は「やめたいなら俺が言ってやるよ。あんなの習い事みたいなもんだろ? 嫌なのにする事ないって」と告げます。
    しかし、そんな兄の甘い考えは母に一蹴されるのです。

    「何を言ってるの? そんなのできる訳ないでしょう。次の撮影も決まってるのに。違約金のこととかあんたわかってるの?」
    「嫌がってんだよ! そんな無理矢理続けさせないでいいだろ」
    「だいたい芽依がやりたいって言うから始めさせたのに。途中で放り出すなんていいかげんな人間のすることでしょう」
    「・・・・!」
    それは表情を殺した妹が言った言葉と同じ。
    そして彼は涙を流しながら告げた妹の言葉も知っている。

    『かわいくないとか・・いらないとか・・・言われるのもうやだぁ・・他の子はいいのになんでぇ・・・』

    「ずっとそんな事言って・・芽依を縛ってたのかよ・・!」
    「翔太、いいかげんにしなさい」
    激高する息子を見据える母。
    「あんたに芽依の事は関係ないでしょう。高校だって何だって母さんの言う事聞かずに好き勝手ばかりやってるくせに。芽依は、あんたとは違うの」
    そんな母の言葉に少年は何も言い返せなかった。

    映画作りたいんだよね。
    監督になっていつか自分で撮ってみたい。
    ムラーリ・K・タリルなんて19で作ってんだぜ。
    自分の部屋に篭って映画の事やってるのが一番楽しい。
    うるさい母さんの相手したくないし、そっちは
    芽依(あいつ)が
    おとなしく言う事聞いてやってくれてるよ。

    「自分の世界」を守るために、ずっと妹の「現実」から目を逸らしてきた兄。
    そんな彼が母親を説得できるわけがなかったのです。

    朝、翔太が学校へ行こうとすると、「仕事」に行く芽依が靴を履いていた。
    兄を一瞥した瞳はもう何も期待していない。
    「芽依、もうすぐタクシー来るから下の玄関に出ててちょうだい。それじゃ翔太、お母さん達今日から留守にするけど、お金置いとくから朝もちゃんと食べるのよ。私がいないからって友達家に上げたりしないでちょうだいね」
    「バス停までダッシュな」
    母の小言を聞き流しながら翔太はそう呟いて妹の手を掴む。
    「え・・・」
    「いいから、ほら! 走れ!」
    ドアを開けた彼が妹に向かって叫び走り出す。
    「ちょっと! 翔太!? 芽依!」

    今の彼には「逃げること」でしか妹を救える手段がなかったんですね。
    冷静に考えれば母親のやってることは児童虐待の疑いが強いので、警察はともかく単身赴任中の父親に相談すればとも思いますけど、良くも悪くもこれが「若さ」でしょう。

    バスに乗り込んで一息つく兄妹。
    (やった・・・)
    (夕方まで逃げれば大丈夫だろ・・・今回の違約金?とかって俺がバイトして返せる額なんだろうか)
    (・・・・・・)
    呼吸が整っていくと同時に薄れていく高揚感。
    (次もこうやって逃げるのか?)
    (その次も?)
    (俺、そこまで責任持てない・・・)
    (それに母さん・・・)
    (キレて俺の部屋に入ったりしてないよな。何か・・したりとか)
    (動画だって・・作りかけで・・大切なもの全部置きっぱなしだ)

    (早く帰りたい)

    (なんだ これ)
    (まるで、こないだ見た映画のラストみたいじゃないか)

    その「映画」とは、物語の冒頭で彼が友達と訪れたレンタルショップで借りたDVDの『卒業』ですね。
    若きダスティン・ホフマン主演の作品で、教会で花嫁を奪い去るシーンが超有名ですけど、実際に観た人の印象に最も残るのはラストシーンだと思います。
    バスに乗り込んだ二人が最初は満面の笑顔だったのに他の乗客の訝しげな視線に「現実」を実感して見る見るうちに表情を失っていくのです。
    翔太もまた「現実の不安」に胸を締め付けられますが、隣に座る妹の横顔を見てその手を握り締め、物語は幕を閉じます。

    『溺れる夜の』の直希は「兄妹相姦」の「秘密」を友達にも話せないことに苦しみ、「近親愛」を理解してくれる「同じ立場の人間」を求めていますけど、お仲間がこんな近くにいたんですねぇ。
    『走れ!』の後の物語であろう『溺れる夜の』で翔太がバイトをしていることが分かります。
    きっと違約金の弁償をするために懸命に働いているんでしょう。

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