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    お父さんがわからない 娘はもっとわからない

    関谷あさみの単行本『千と万』(第1巻)は「父子家庭」の父親と娘の物語です。
    千と万(第1巻)
    この作者は同人誌で「父娘相姦」を描いていますが、『千と万』は健全な「一般漫画」であり、「近親愛」はもちろんベタベタした「家族愛」も描かれていません。
    娘の詩万は中学一年生という非常に微妙な年頃で、子供らしい無垢さが失われつつある一方で大人のような思慮深さは持ち合わせていない、まあ父親にとっては扱いがとても難しい存在なんですね。
    TVのトーク番組で「童貞」や「処女紛失」というフレーズが出てくる下ネタにウケている娘を見て動揺する父。
    叔母さんが買ってきてくれたドーナッツに妙にはしゃぎながらガサツな食べ方をした父にイラついて睨みつけて舌打ちする娘。
    物語はそんな父娘の心のちょっとギクシャクした触れ合いがさらりと描かれています。

    「こんなの育ててさ・・・・将来農家のヨメにでもなるの?」
    ベランダでガーデニングをしている娘に父が問う。
    「えーないよ、ただのシュミだもん。てか私結婚しないと思う」

    可愛い娘に「結婚しない」とか言われると父親としたら嬉しいかも知れませんけど、詩万は続けて「めんどくさそうだもん!」と表情を変えずに言い放ち、父もそんな言葉を聞きながら(そういう事言う奴は大抵さっさと所帯持ってくんだよ・・・)とぼんやりと考えているのでした。

    基本的に「良い子」なんだけど父親に対しては小生意気な面を見せる詩万が可愛いです。
    友達の母子関係に対する心情などは女性作家ならではの視点からの描き方のような気がしました。
    初めてピザを電話注文する時にあたふたした姿も微笑ましかったです。

    しかし、個人的に詩万と同じくらい気になった女性キャラがいます。
    それは少女の「叔母」であり、父の「妹」である那由です!
    千と万(第10話)
    詩万が幼い頃に母親代わりとして面倒見ていたこともあるらしく今でも仲良しの優しい叔母さんであり、父の千広の視点で見るとまさに理想の「妹」なんですね。登場シーンは少ないのですけど、兄妹の会話の場面はとても心地良いです。
    まあ、この作品で父娘や兄妹の「近親愛」が描かれることは無いでしょうが、ついつい(兄妹で夫婦のように暮らしながら詩万を育てればいいのに)とか妄想してしまいます。

    父の日の前に兄には内緒で姪におこづかいをあげる那由。
    「何か買うでしょ? これ使って・・ね!」と叔母に言われ「ありがとー! そうするね!」と答える詩万。
    しかし、少女はその「何か」が「父の日のプレゼント」であることを理解しておらず、後日「そーいや、もうすぐだね。詩万ちゃんは何か買った?」と友人に言われると思いっきり面倒くさそうな顔で「あ――・・あげなきゃだめかな?」と言う。

    確かに父親へのプレゼントって難しいんですよね。
    それでもなんだかんだでプレゼントをする娘と父の対応も面白いです。


    「エロ」とは全く無縁そうな「父娘物語」ですけど、「近親相姦漫画」の合間にこういう作品を読んで少し心を清めるのも良いかも知れませんね~


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