『ドッグスタイル』の「第4話」は、兄が自殺した後の話です。
「運命を変えようとすらしないで、お兄ちゃんは、ここから逃げた」
兄の遺体を見下ろす妹。
「意気地なし」
そして、涙が落ちる。
「さよなら」
これで「兄妹」の「物語」は終わります。
でも、妹は生き続けなければならない。
どんなに悲しくても寂しくても(強くなりたい)と願う。
(強くならなきゃ)
彼女には生き続けていく理由があったのです。
兄の子を身篭っている妹。
彼女は「城戸雄司」の愛を受け入れます。
兄以外の男と初めて「本当のセックス」をした時、妹は心の中で兄に最後の別れの言葉を告げ、雄司から「愛してる」と言われるのです。
どうしても兄の立場で見てしまうので、やっぱり「城戸雄司」の事は好きになれないですね。
セックスしている場面とか、正直言ってムカつきます。
でも、妹が笑顔でいるためには、彼に頑張って貰うしかないのです。
(俺が殺した)
その「死」に対する罪悪感を抱えながら、その「子」を孕んだ少女を愛して、一緒に生きていこうとする。
やがて新しい「命」が生まれ、彼は父として「家族」のもとへと向かう。
(強くなりたい)
(君のとなりで)
双子の赤ん坊と母の笑顔。
(強くなれるよ)
(きっと)
この「作品」を初めて読んだ時は「好き」ではなかったです。
「近親相姦漫画」としては完全にバッドエンドですから。
でも、『ドッグスタイル』は「名作」だと思いますよ。読めば読むほど味が出る。
こうやって長々と感想を書いてきたのも、自分にとってそれだけの意味がある「作品」だったという事ですね。
まあ、「エロ漫画」としてはダメダメですけど・・・
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