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    水面に映るモノ

    前回紹介した きりりん の単行本『いも-と*も-ど』のメインとなっているのは、『水仙の華の沼の淵』(全3話)です。
    水仙の華の沼の淵(前編)

    意地悪で横柄な兄だけど「異性」として好きになってしまった初未。
    クラスメイトの「松田くん」に告白されても考えるのは兄の事ばかり。
    そんな彼女は部屋で自慰をする兄を目撃し、「禁断の欲望」を抑えきれずに自室で激しくオナニーをしてしまう。
    隣の部屋の兄を意識しながら絶頂に達する妹。
    少女は初めて兄に「恋心」を抱いた時の記憶の断片を夢で見た。
    (あの日から 私はずっと、お兄ちゃんのこと・・・)

    ここまでは普通の「兄妹恋愛漫画」なのですが、二人が朝目覚めた時、事態は急変します。
    映画『転校生』のように兄と妹の精神が入れ替わっていたのです。


    「中編」では動揺する初未を家に残して、妹の姿をした兄が学校に行きます。
    水仙の華の沼の淵(中編)

    姿が入れ替わった事により相手の「秘密」を知っていくという展開ですね。
    兄は妹にラブレターを出している男の存在を知り、妹もまた臨時担任の新部英子が兄と知り合いであった事を知るのです。

    「創司君、私ね、まだ全然気持ち変わってないんだよ」
    兄の姿をした初未に英子が寄り添いキスをする。
    「・・あ・・あっ、せん、せ」
    「今日の創司くん、なんか可愛い。女の子みたい」
    そのまま肉棒を愛撫され、胸で挟まれ、口に咥えられる初未。
    (うそ、うそっ、お兄ちゃんとえーこ先生がこんな関係だったなんて)
    (・・・や)
    (いやっ)
    「すっごくおいしいよ、創司のチ○ポ」
    「いやあああぁあ」
    快感に酔いながらも少女は兄の身体が「他の女」とセックスする事を拒絶した。

    「初未ちゃんね!?」
    英子の言葉に走り去ろうとしていた初未の足が止まる。
    「・・・えっ」
    「そう・・・やっぱり あの子のこと・・・何も変わってないんだね、創司」
    英子が創司の姿をした初未に告げる。
    「まぁ―――無理もないよね。初未ちゃん、あんなに可愛いんだもん。あ、そっか・・私のこともあの子からきいて・・そんで慌ててとんできたってワケ? それは安心していーよ、あの子には何も話してないから」
    英子が薄く笑った。

    「俺は妹を愛しています」
    「妹に純潔を捧げます」

    英子の口から兄の「想い」が初未の心に届く。
    「バッカじゃないの! 大好きな妹に手出す度胸もないくせしてさ!! アイツが男作るまで俺は女を作らない? アイツが誰かのモノになるまで俺はアイツだけのモノでいる・・? ケッ、なんや、それっ」
    目に涙を浮かべながら英子は叫び続ける。
    「よ う す る にっ、ただ臆病なだけやん、創司はぁっ!! 創司のアホ! ボケェ! こんじょうなし!! 好きならヤってまえば ええやろぉおー!! 創司のバカァアァア―――ッ」

    「前編」では妹の「禁断の想い」が描かれていましたが、「中編」で明らかになる兄の「想い」は「狂気」のレベルですね。
    自分を好きな女に対して「妹に純潔を捧げます」と言うなんて「常識」ではあり得ません。
    まあ、彼を愛する英子の「想い」も本物であり、それに対して誠実に答えたからこそだとは思いますが。

    妹が男を作るまで自分も女を作らないとか言っていますが、創司は妹にラブレターを送った「松田くん」との交際を認めるつもりは全くありません。
    可愛い少女の姿をした創司が「松田くん」をいたぶるシーンは非常に面白いです。

    妹の姿で濡れた性器を見せながら「松田くん」にオナニーをさせ、自分も妹の肉体を愛撫する兄。
    「松田・・くん、そのままでいいから聞いて・・・私ね、ホントはお兄ちゃんのことが好きなの。この身体も心も全部お兄ちゃんのモノなの・・・初未の身体を犯して犯して犯して奥の奥まで自分のモノにしていいのはお兄ちゃんだけなんだよ」
    兄は溢れ出す自分の「欲望」を妹の口で吐露していく。
    「だから、松田くんの告白には応えられない。ごめんね。そのかわり、お兄ちゃんを想って気持ちよくなってる私を見ながらいっぱい射精していいよ」

    もう完全に暴走状態の兄。
    妹のクラスメイトに対してこんな発言をしてしまうのも「常識」では考えられません。
    一方の妹も英子の言葉によって兄の激しい「想い」を知ります。
    まあ、それ以前に彼女は兄が自慰のオカズに使っていた自分の写真を見つけているんですけど。
    もう、こうなれば「兄妹相姦」しかないですよね。


    「ヨメになんかいかねーよ」
    七五三の着物を着た妹に兄が言い放つ。
    「なんで? はつみ、およめさんなるもん」
    「おまえはムリ―――」
    「ど、どーしてお兄ちゃんが決めるのよー!」
    「おまえは、おれがもらうから」
    それは、かつて幼い自分に向けて兄が告げた言葉。
    (そんな子供の頃のこと、ずっと信じてきた私はどうかしてる―――?)
    水仙の華の沼の淵(後編)

    「後編」ではついに「兄妹相姦」が始まりますが、精神は入れ替わったままです。
    単行本の後書きにもあるように『水仙の華の沼の淵』というタイトルは、ギリシア神話から着想されています。

    女神の呪いによって水面に映った自分に恋をしてしまったナルキッソス。
    彼は決して報われない恋に苦しみながらも、その場を立ち去る事もできずに死んでしまい、美しい花(水仙)となった。

    ナルシシズム(自己愛)の語源となった有名なエピソードですね。
    自分自身の身体とセックスをするという状況は、まさに「自己愛」の世界です。
    変則的な「近親相姦」における兄妹の心理描写が秀逸だと思います。
    ただ、自分は男性キャラに感情移入して読むタイプなので、自分のナニを咥えたりするのにはちょっと抵抗を感じますねえ。
    しかし、それは自分がまだ「狂気の愛」にシンクロしきれていないからなのでしょう。

    「こうしてると、もう、どっちがお前でどっちが俺でも どーでもよくなってる」

    このセリフは兄妹の「繋がり」がマックスレベルになっている事を示しています。
    もともと「近親愛」というのは閉鎖的な感情であり、「自己愛」にも深く関連しており、究極的には相手との「融合」を求めていると思います。

    (ねぇ、お兄ちゃん、私ね・・・)
    (こういう感じ、前にもあったような気がするの)

    (あぁ・・俺もだ)

    (もしかしたら、私とお兄ちゃんが入れ替わっちゃうのはぜんぜん特別な事じゃなくて)
    (ずっと昔から)
    (何度もこうやって入れ替わってきたのかも・・って)
    (そんなふうに思うの)
    (なんでかなぁ?)

    (それはたぶん、俺らずっとお互いに好き合ってたから)

    (あとね、もうひとつ)

    (うん)

    (それは)
    (私とお兄ちゃんが)

    (兄妹だから)


    このシーンによって「精神の入れ替わり」という設定が重要な意味を持つようになります。
    「精神の入れ替わり」を通じて、彼らは相手との運命的な「魂の繋がり」を感じているんですね。
    「近親愛」に対する意識が「兄妹なのに」から「兄妹だから」に変わった時、二人は「禁断の愛」に「幸せ」を感じられます。

    だからこそ、最後のシーンでの妹の笑顔は「本物」なのです。


    結局ノーマルな状態での「近親相姦」が一度も無いので「エロ漫画」としては物足りない感じもしますけど、「近親愛漫画」としては非常にハイレベルな「作品」だと思います。

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