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    「近親愛」を阻む「慣習」の壁

    前回は「近親愛」に対する法律的な問題について述べましたが、みやび たつとの『他人宣言』に登場する妹もその事実を知って怒っています。
    他人宣言

    「兄妹で結婚は出来ないの!?」
    クラスメイトに告げられた事実に少女が驚愕の声を上げる。
    「愛に年齢や国境は関係ないとか言うくせに兄妹は結婚しちゃ駄目なの!? Hはしてもいいのに結婚はしちゃいけないなんて、おかしいでしょ そんなのッ!!」
    「ちょっと待て、Hも駄目だ」

    冷静なツッコミをクラスメイトから受けてしまう妹ですが、最終的には「兄妹でも事実婚なら可能」という結論に至ります。

    まあ、コミカルな作品らしい能天気な終わり方ですけど、実際に近親愛者達が一生愛し合いながら暮らしていくには「事実婚」のような状態しか無いんですよね。
    『たとえば母が』でも母と子が周囲の人間には親子である事を隠しながら暮らしています。


    しかし、本当の問題は「結婚できない」という法的な事実よりも、「近親者が愛し合う事は許されない」という世の中の「慣習」です。
    たとえ法的に問題が無くても「私達、兄妹だけど恋人として愛し合いながら暮らしているんです」なんて ご近所様に話せるわけではありません。
    そんな中で最も問題なのは、当人達以外の「家族」です。
    特に「兄妹」や「姉弟」が「禁断の恋」をした時に最大の障害になるのは「両親」でしょう。
    あまりにも難しい問題のため、「両親への告白と説得」というシーンを描いている「近親相姦漫画」は少ないです。
    長編の『わすれな』ですら両親には「禁断の関係」を隠したまま終わっています。
    「すでに両親が他界している」という設定が都合良いのでよく使われていますが、「両親」の存在は「背徳感」を高める大きな要素にもなってくるので、そればかりでは困ります。

    もちろん、「背徳感」とかを必要としないコメディタッチの作品では、あっさりと両親が認めてくれる場合もあります。
    ぢたま某の『Kiss×sis』は血が繋がっていない関係ではありますけど、姉弟の恋愛を両親が奨励していますね。
    こういう平和な雰囲気の漫画が上手い作家ですが、過去には非常にダークな「姉弟相姦漫画」を描いていました。

    『immoral romance』(全3話)では、冒頭で地縛霊になった弟が自分の名を呼びながら一心不乱にオナニーをしている姉を見つめています。
    immoral romance

    (姉さんは僕を愛していた)
    (そして、僕も姉さんを愛していた)
    (僕達は愛し合っていたんだ)
    (――現在も)

    いきなりバッドエンド的なシーンで始まりますが、「物語」はまだ姉弟が幸せだった頃に遡ります。

    近所でも評判の仲良し姉弟である少女と少年は「異性」としても愛し合っていた。
    姉は実の弟と口づけをし、ペニスを咥え、全裸で抱き合う。
    しかし、「セックス」だけは頑なに拒むのだった。

    「・・・それが私の最後の道徳心なの」

    最後の一線を越えない事で自らの「禁忌への意識」を辛うじて抑え込んでいた真面目な姉。
    だが、世間の目から見れば、すでにそれは「禁じられた関係」。
    その「秘密」を母親が知ってしまった。

    母に責められながら少女はガタガタと震えている。
    「あの年頃の男の子は、ああいう事に興味があるだけなのよ」
    弟の「恋心」を否定されても何も言い返せない。
    「お姉さんのあなたが止めるべきなのに、それが一緒になって、一体何を考えているの!?」
    「わ・・私は・・達也が・・・達也の事が――」
    涙を流しながら彼女が自分の「想い」を声にして絞り出そうとする。
    しかし、母はそんな「間違った想い」を聞こうとはしない。
    「――とにかく、もう絶対にあんな事はやめなさい。達也の事はそれから考えます。いいわね!?」
    「はい。お母さん・・・」

    「世間体」を非常に気にする母親が「物語」の「背徳感」を高めています。
    その後、姉は弟を避けるようになり、弟は母に説教をされても納得しませんが、姉本人から拒絶されてしまうのです。

    しかし、達也は姉の「本心」を知る。
    彼女は弟を「異性」として求め続けていた。
    「全部僕の所為にすれば姉さんと母さんが気まずくなる事もない」
    そう告げて姉と初めてのセックスをしようとする弟。

    このまま「近親相姦」をして「永遠の愛」を確かめ合って終われば とりあえずハッピーエンドなんですけど、真面目な姉は肉棒を挿入される寸前になって弟を突き飛ばしてしまいます。
    そして、頭から落ちた弟は死んでしまうのです。

    弟を殺してしまったショックから立ち直れない涼子。
    自慰をし続けている姉を地縛霊の弟は見ている事しか出来なかったが、娘を心配して部屋に入ろうとした父親に憑依して姉と初めてのセックスをするのだった。

    「涼子・・・」
    姉の膣内に放出した弟が呟く。
    「達也・・ダメよ、名前なんかで呼んじゃあ・・」
    「え? どうして・・・」
    「私は姉弟だからという理由で貴方から逃げたわ。だけど、もう逃げるのはイヤ・・・私は姉で、達也は弟。その上でも私達は恋人になれるって、私・・今、全身でそれを感じてるの・・・」
    姉は愛しい弟を見つめる。
    「・・ねえ・・連れてって。今この瞬間が永遠になるんでしょ、達也の世界なら」
    そんな彼女の「想い」を彼は受け止めた。
    「愛してるわ・・・永遠に」
    弟に首を絞められながら、姉がこの世で最後の言葉を伝えた。

    深夜。
    寝室にいない夫を探していた妻が娘の部屋で彼を見つけた。
    「ああ・・おまえか・・・」
    自分の姿を呆然と見つめている妻の存在に気づいた夫。
    「はは・・これ? 違うんだよ、これは・・・違うんだ・・・」
    しかし、その言葉は妻には届いていなかった。
    彼女の心は全裸の夫が同じく全裸の娘を絞め殺している光景によって すでに壊れていた。

    「殺人現場」となった姉の部屋には数名の警察関係者がいる。
    しかし、彼らはその部屋で地縛霊の姉弟がセックスしている事に気づかない。
    (・・・最近、父さんと母さん見ないね)
    バックから姉を犯している弟が告げる。
    (いいじゃない そんな事、もっと集中してよォ)
    (ごめんごめん姉さん、愛してるよ)
    (私もよ、達也・・・)

    結果的に姉弟の「禁断の愛」は「家族」を崩壊させ、両親を不幸のどん底に追い落としてしまいました。
    後味が悪く、「実用性」も低いですが、「近親相姦」の「背徳性」について興味がある人なら読んでおくべき「作品」だと思います。

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