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母さんが目をそらすとき――大抵ウソをついている(その8)

『たとえば母が』の「第46話」で正樹が母にセックスを求めていますが、「第47話」はその少し前の時間から始まります。
たとえば母が(第47話)

『私ね・・・昔、あなたに会ってるんですよ・・?』
電話での会話で峰子が正樹に告げる。

まだ彼が幼い子供だった頃、数人いた榊の愛人の中でも美晴は別格の存在でした。
嫉妬に狂った峰子は殺意を持って美晴の住むアパートへ向いますが、美晴は不在で、留守番をしていた正樹と出会うのです。

『あのときのあなたを見て思いとどまったんですよ。この子からお母さんを奪っちゃいけない・・って』

子供の頃の正樹は最強ですね。
峰子も美晴も寂しさを秘めた無垢な笑顔でコロリと改心させられています。
さすがに今は昔ほどの破壊力はありませんが、彼の年上キラーぶりは相変わらずです。
「第1巻」に登場した山本由紀には遊ばれている感じでしたが、山根麻里子や峰子が非常に協力的だったのは、彼が「守ってあげたくなる存在」だからでしょう。
大人のテクニックで女を堕とす榊とは正反対の、「母性本能」をくすぐるタイプなんですね。
しかもベビーフェイスに不釣合いな巨根の持ち主でもあります。
正樹って結構スゴイ奴なのです。

『あなたを見てて気づいたわ。美晴さんの求めているのは快楽だけじゃない。本当に・・身体も心も満たしてくれるものよ。榊では・・きっと永遠にできないこと。それを気づかせられるのは・・ううん、それができるのは・・・今となってはもう・・・キミだけなのかもしれない』

「近親相姦への欲求」だけでなく「禁忌への意識」にも大きな影響を及ぼしている正樹の「家族愛」。
母を本当に愛しているからこそ、以前は未遂に終わった「強姦」のような行為は二度と出来ない。しかし、彼女の言葉によって「禁断の愛」が肯定され、「禁忌への意識」が薄らいでいきます。
自分の「欲望」と母の「幸福」が繋がった時、正樹の行動は決まるのです。

『あなたが待ち続けたこと、想い続けたこと、全部ぶつけて、お母さんに入っていってあげるの――』

「ずっと・・・こうしたかった・・・」
暗い部屋の中で息子が全裸の母の豊満な乳房を揉みしだく。
「あ・・・」
「母さんとこうして」
「はっ・・・」
「くっついて・・・」
「はっ・・あっ」
息子に乳首を吸われながら、母が喘ぎ声を上げる。
「あっ、あ、あっ、だ・・め・・でも・・だめぇ・・・」
「禁断の快楽」に酔いながらも、「母親」としての言葉を発する美晴。
「母子でこんな・・こんなの・・・はっ・・・」
「・・・とっくに狂ってるよ・・・母さんもオレも」
彼は自分の勃起したペニスを母に握らせて、己の「禁断の欲望」を示す。
「オレのは・・母さんを想って・・・こんなになってる。固くて・・熱いの・・わかる・・・?」
「・・・・・でも・・っ・・どうしてっ・・なんで・・マサキ・・・どうして・・?」
息子の前で小刻みに震えながら涙を流す母。
「私・・なの・・? 母さんなんか・・こんな母さんなんかを・・求めるの・・? 血が・・つながってるのに・・なんで・・・」
「・・・“つながってるから”・・じゃない?」
正樹が美晴の「迷い」に「答え」を与える。
「オレ以外に・・母さんと血のつながってる人間はいないから・・・きっとオレは出来損ないなんだよ、人間として」
笑顔で語り続ける息子。
「本来求めるべきではないもの、まちがってること全部わかってても、それでも・・母さんが欲しいよ」
「マサキ・・・」
美晴が愛しげに息子を見つめる。
そんな母を抱き締める正樹。
「あ・・・」
「・・・言ったろ・・? オレが一番・・・一番母さんを好きだ」
「んっ・・知ってる・・知ってるわっ・・・」
全裸の母と息子が抱き締め合う。
「ずっと・・いつも待っててくれたこと、私を想ってくれてたこと・・ッ」
息子によって熟れた女体を愛撫される母。
「それにあんな・・あんな私を見ても・・・見捨てなかったこと・・・」
美晴は息子と口づけを交わした。
「好きよ、マサキ」
涙に濡れた瞳で母が彼を見つめる。
「私だって愛してる」
ついに息子への「禁断の愛」を認めた美晴。
「―――・・ああ・・マサキ・・・ごめん、母さんもあなたが欲しいわ」
母は「女」として正樹に愛される事を求める。
「おねがい・・母さんの・・あたしのなかに・・・」
「―――母さん・・ッ」


大まかな言い方をすれば、「恋愛感情」は「心の繋がり」を求め、「性欲」は「肉体の繋がり」を求めます。
「肉親」は「血の繋がり」があるだけでなく、「家族愛」という「恋愛感情」とは異なる「心の繋がり」を持つ特別な関係ですが、「恋愛感情」や「性欲」を相手に向ける事は「禁忌」とされています。
しかし、「肉親」を「異性」として意識し、「禁断の愛」に目覚めた者は、「男女」としての「心の繋がり」と「肉体の繋がり」を求め、相手に運命的な「魂の繋がり」を感じるのだろうと考えています。
もちろん、世間の一般常識から見れば、そんなものは狂人の妄想に過ぎません。
しかし、自分の事を「人間として出来損ない」と評した正樹はそれを信じたんですね。

47話目で初めて身も心も一つになった母子。
この長い「母子相愛物語」も残り3話です。
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