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    母さんが目をそらすとき――大抵ウソをついている(その2)

    『たとえば母』の「第1巻」では、正樹が母親の秘密(親友と男女の関係になっている事)を知った時点で「物語」が過去に戻り、美晴とマコトの出会いから現在に至るまでの過程が描かれていきます。

    「第2巻」の最初の方も「過去編」が続いていて、まだ何も知らない正樹に隠れてスリリングなセックスをしたりしています。
    たとえば母が(第2巻)

    ちなみに、『眼鏡女と公衆便所』という同人誌には、この頃の美晴とマコトが描かれています。
    眼鏡女と公衆便所

    同人誌のテーマに従って美晴が眼鏡をかけていますが、作者によれば「乱視」という設定は元々あったそうです。
    まあ、本編では眼鏡をかけるシーンが全然ありませんのでちょっと違和感がありますが、個人的には嫌いじゃないです。(セックスの相手がマコトなのは不満ですが)

    さて、「物語」は正樹が母と親友との関係を知った時に辿り着き、母に対する息子の感情に変化が生じていきます。
    母や親友に裏切られたという感情と共に、母が自分と同じ年の男に「女」として抱かれているという事実が彼の「常識」を大きく揺さぶるのでした。

    「禁断の欲望」を目覚めさせてしまった彼は、ベッドの上で眠る全裸の母を見ながら自慰をする。
    (この・・白くて・・大きなお尻・・も)
    背を向けて眠っている母の尻を見つめながら、正樹は自分の肉棒をしごく。
    (――あの 大きくて やわらかく ゆれていた・・母さんのオッパイも・・・)
    (マコトに・・・)
    寝返りをうつ美晴。
    母の乳房と股間の陰毛が息子の目の前に晒された。
    (マコトの手に思うままにさせてたのか・・・?)
    (―――この身体を)
    (どんなふうに・・?)
    (どんな格好でしたんだよ・・?)
    ( 母さん・・!!)
    正樹の息が荒くなっていく。
    (わかってたよ)
    (――・・母さんだってオンナだってこと・・・)
    (毎日顔を合わせてても、どんどん色香が増していくのがわかってた)
    (母親なのに・・・肉親なのに・・・)
    親友のペニスを咥えていた母の姿が頭に浮かんでくる。
    (なんで・・マコトなんだよ・・?)
    全裸の母親を見つめながら息子が射精した。
    (どうして・・?)

    この時の正樹に思いっきり感情移入してしまったので、その後の展開を見ていくのは辛かったですね。
    「秘密」が明らかになってしまった時、正樹と美晴とマコトの関係も大きく変わっていきます。

    「男」として敵対関係になっていく正樹とマコト。
    マコトに「ボクと・・マサキ・・どっちをとるの・・?」と言われても、その真意が理解できない美晴。
    (それは・・母親でいるか・・女でいるか・・ってこと・・?)
    「そんな・・そんな選択・・できるわけ・・・」
    しかし、そんな彼女の前に現れた息子は母親を押し倒して犯そうとするのだった。

    この「近親強姦」は母親に拒絶されて失敗に終わります。
    「読者」として非常にガックリですが、美晴が息子の「禁断の欲望」を受け入れなかったのは当然だと言えます。
    自分は「母親」であり、正樹は「男」ではなく「息子」なのだから。
    「近親相姦」なんて出来るはずがない。
    それが彼女の「常識」でした。

    しかし、息子が自分の名を呼びながら他の女性とセックスしている姿を見て、美晴は自分達がもはや「普通の母子」の関係を続けられない事を悟るのです。

    (――そうか)
    (そうだったんだ・・・)
    (私・・ダメだ。私がダメなんだ・・・)
    (私はここにいられない・・・)
    (マサキが私を“女”として見てしまったのなら)
    (ここに一緒にいれば)
    (私も、もうマサキの“母”でいられなくなる――)

    自分の中の「禁断の欲望」に気づいた彼女は、息子と住んでいた家を出ていきます。
    マコトの住むアパートへ向いながら、「いっぱい抱いて」と電話する美晴。

    「母子相姦」から離れていく展開に失望しながらも、まあ仕方ないかなとも思いました。
    欲望のままに「女」として息子に抱かれれば、自分は「母親」ではなくなってしまうし、マコトへの「愛」も嘘になってしまう。
    そんな考えからの行動であったと思われます。
    確かに、このまま正樹と一緒に暮らしながら美晴が「普通の母親」を演じ続けていく事は出来ないでしょう。
    「近親相姦への欲求」が発生する要件として「(恋愛感情も含めた)家族愛」と「性欲」があり、その感情を抑制する「禁忌への意識」は「常識」と「家族愛」で構成されていると考えていますが、美晴の「性欲」がケタ違いである事は後半のストーリーで嫌というほど思い知らされるので、彼女の判断は正しかったとも言えます。
    正樹が母親の保護を必要としない年齢になっているというのもポイントですね。
    大学生の息子が母親と離れて暮らす事は別に珍しくありませんし、離婚している母が別の男と関係を持つ事も責められる事ではありません。(それが息子の友人である事は多少問題がありますが)
    でも、正樹は「母に捨てられた」という強いショックを受けますよね。
    「息子」としても「男」としても彼は苦しみ続ける事になるのです。

    結果としてマコトとの「男の戦い」に敗れた正樹。
    まあ、母親に対して「禁断の愛情」を持ってからも他の女とセックスしてる正樹に対して、マコトの方が一途なのは確かですね。
    しかし、麻里子が指摘しているように、マコトの「恋愛感情」も決して純粋だとは言えないので、まだまだ正樹が逆転するチャンスがあると思っていました。

    しかし、正樹の逆襲が期待された「第3巻」は、新たなキャラの登場で思わぬ展開になっていくのです。

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